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眉間のシワは伸ばしましょう。

過剰→健康←低栄養

2016.10.6

 

「わたしはコレステロール値が高いから卵が食べられないの」

 

健康診断を受けて結果が出ると必ず聞きます。

この言葉。

 

そもそもコレステロールとはなんだ?

 

コレステロール値高いですね」

このコレステロールとは、血中コレステロールのことです。

これが高いと、動脈硬化が進んで脳卒中心筋梗塞などの危険性が高まりますよね。

 

血清脂質値が

コレステロール 220mg/dl以上

LDLコレステロール 140mg/dl以上

HDLコレステロール  40mg/dl未満

中性脂肪(トリグリセリド)150mg/dl以上

 

こうなると危険信号が出されます。

しかしながら、コレステロールってなんなんだ?と思いませんか?

 

血中のコレステロールは、

一部、食事からも摂取されていますが、

主に肝臓で作られています。

 

コレステロールは体内で合成できる脂質で、

肝臓では胆汁酸に変化して、タウリンなどに抱合され、

胆汁として胆のうに蓄えられます。

 

胆のうで濃縮された胆汁酸は、

十二指腸に分泌されて脂肪の消化を助けます

 

胆汁酸のほとんど、98~99%、

回腸で再吸収されて肝臓に戻り、再利用されているんです。

胆汁は、消化吸収を助け、腸内運動を促し、

食べ物の流れを良くします。

また、肝臓で解毒作用の途中で出た不要物を腸へ送り

体外へ排出する役割を担っています。

 

コレステロールは、

肝臓のほか、小腸、皮膚などで、ブドウ糖脂肪酸アミノ酸などから

アセチルCoA(体内で代謝や合成に関与する高エネルギー化合物)を経て

合成されます。

コレステロール生合成は、約1.0~1.5g/日、

食べ物からの摂取量は、約0.2~0.3g/日。

 

コレステロールの摂取が多いと、体内で作られる量は減らされて、

少なければ体内でたくさん作られることになります。

このように身体がコントロールしているというわけです。

 

日本脂質栄養学会では、

「様々な研究で食事コレステロール血中濃度に因果関係はない」との指摘が報告されています。

 

(。-`ω-)なんですと?

 

 

【2015年版 日本人の食事摂取基準より】

 

動脈硬化関連疾患に関して

卵(鶏卵)はコレステロール含有量が高く、日常の摂取量も多いため

摂取量と疾患リスクを調べることにより、

コレステロール摂取による疾患リスクが推定されている

と書かれていますが、、、

 

2013年のメタ・アナリシス(メタアナリシス - Wikipedia)では、卵の摂取量と冠動脈疾患・脳卒中羅患との関連は認められなかった。

 

そして、

日本人を対象にしたコホート研究(コホート研究 - Wikipedia)では、卵の摂取量と虚血性心疾患や脳卒中による死亡率との関連はなく、1日に2個以上摂取した群とほとんど摂取しない群との死亡率を比べても有意な差は認められていない。

 

また、

冠動脈疾患羅患との関連を調べたJPHC研究(多目的コホート研究(JPHC Study) | 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ)でも認められていない。

糖尿病患者においても卵の摂取量と冠動脈疾患羅患との関係は認められていない。

 

食事からのコレステロールの問題は、

コレステロール自体の問題ではなく、同時に摂取する飽和脂肪酸の摂取量が影響しているとされています。

 

これまで制限すべきだった

卵・鶏レバー・バター・イクラ・エビなど・・・

沢山食べてよいってこと?????

(≧▽≦)

 

しかし、女性においては、

卵を2個以上/日摂取する群では、1個/日の群に比べ有意ではないが、

がんの死亡の相対危険が約2倍!

欧米で発表された症例対照研究(症例対照研究 - Wikipedia)でも、コレステロール摂取量と卵巣がん、子宮内膜がんに正の関与が認められています。

 

肝硬変・肺がんになるハザード比(追跡期間を考慮したリスク比。追跡期間によりリスクが変化する場合に使用する。)は、2.45で有意に高いことが示されました。

 

よって、

女性に限らず、

コレステロールの摂取量は低めに抑えることが好ましいもの!と考えられるものの、

目標量を算定するには科学的根拠がないため目標量算定は控えているとのことです。

 

 

「わたしはコレステロール値が高いから卵が食べられないの」

 

 食べられないんじゃないんです!

女性は男性よりもコレステロール値が高め。

卵を食べないことを頑張るのではなく、

その前に自分の食生活を思い出し、

どんな食品を多く好んで食べているのか

どんな毎日を過ごしているのか

ストレス度はどのくらいか

こんなことを考えてみると解決策が見つかるかもしれません。

 

コレステロールは低くても高くても危険です!

 

コレステロール動物性たんぱく質に多く含まれているため

制限しすぎるとたんぱく質不足を生じ、

特に高齢者においては低栄養を生じる可能性があるので注意が必要です!

 

 

 

 

 


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